サルコペニア肥満
ピロリ菌と関連の深い病態
近年、糖尿病や高血圧などの生活習慣病と、要介護のリスクが一緒に高まる「サルコペニア肥満」が問題になっています。
「サルコペニア肥満」とは、加齢や運動不足によって筋肉が減り、脂肪が増えることなのですが、体形や体重が若いころとあまり変わらない人でもみられます。また誤ったダイエットで若い女性の「サルコペニア肥満」も見受けられます。体を断層画像で調べると、筋肉だった部分に脂肪が入り込み置き換わっています。これが「サルコペニア肥満」です。
筋肉が減ると運動機能が低下し、転倒⇒骨折⇒寝たきりになるなどの要介護のリスクになります。
脂肪が増えると脂肪細胞から動脈硬化や様々な生活習慣病の原因となる悪玉物質が分泌され、生活習慣病のリスクになります。「サルコペニア肥満」はこの2つのリスクが同時に進行します。
また「サルコペニア肥満」は、メタボよりも、生活習慣病のリスクが高くなることが最近の研究で明らかにされました。
「サルコペニア肥満」を予防するには、必要な筋肉を取り戻し、余分な脂肪を落とすことですが、そのために不可欠なのが運動(筋トレ)と食事です。
筋トレで重要なのは下半身の強化です。筋肉が減少するのは主に下肢で起きるからです。特に大切なのが、ふくらはぎと太ももの運動です。スクワット、もも上げ、つま先立ち。3つの運動を毎日計5分程度行いましょう。食生活も大切です。カロリーは控えめに、栄養をバランス良く摂ることが基本ですが、筋肉をつくるために良質のタンパク質を積極的に摂りましょう。特に動物性タンパク質は、高齢になると摂取量が少なくなる傾向があるので、普段から肉や魚を意識して摂るように心掛けましょう。
H28/11月 朝日サリイ投稿