胃MALTリンパ腫
ピロリ菌の除菌で治療が可能
胃に見られる腫瘍の中でピロリ菌の感染が関係していると考えられ、ピロリ菌の除菌(内服薬を服用)により治療が可能な腫瘍があるので紹介します。
それは胃MALTリンパ腫と呼ばれ、胃の粘膜とリンパ球の複合組織から発生する腫瘍です。低悪性度のリンパ腫とされ、比較的進行が遅い腫瘍です。
症状は胃粘膜病変による腹痛、食欲不振等を生じることがあります。
診断は内視鏡検査を行い、生検して病理検査で行われます。
胃MALTリンパ腫におけるピロリ菌の感染頻度は90%以上で、治療の第一選択はピロリ菌の除菌療法になっています。除菌療法は病変が胃のみの限局期症例に限られ、治療成績はわが国では70~80%とされています。除菌が無効の場合は胃の摘出手術や放射線療法が行われます。
胃MALTリンパ腫は、除菌療法後徐々に退縮することが多いこと。その他の悪性度の高いリンパ腫瘍組織が混在している場合があるので、長期の経過観察が必要になります。そのため専門施設での治療と経過観察が必要な疾患です。
H24/11 朝日サリー投稿