O111
O111の正体とは?
最近、焼き肉チェーン店で起きたユッケ集団食中毒事件。その原因菌はO111という腸管出血性大腸菌でした。
大腸菌は人や家畜の腸内に存在しますが、下痢などの消化器症状をひき起こすものを病原性大腸菌と呼んでいます。その中でベロ毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群をおこすものが腸管出血性大腸菌です。1996年の堺市などの集団感染で有名になったO157が代表的なものですが、その他にO26、O111、O128など多くの種類があります。
2~9日の潜伏期間の後に、発熱、腹痛や水様性下痢を起こし、後に血便となることがあります。時に貧血、血小板減少、急性腎不全や脳症などの重篤な合併症を起こし、死に至ることもあります。
感染原因として,牛肉や牛レバーなどの生食が原因となることが多いので、予防には食肉の生食は控えましょう。菌は熱に弱いので、汚染が心配される食物は十分に加熱(75℃・1分間以上)してください。また食事前や排便後の手洗いを徹底しましょう。消毒には逆性石鹸やアルコールが有効です。
食中毒の発症が疑われた場合には、速やかに医療機関を受診しましょう。
H23/6 朝日サリー投稿