食道がん

喫煙・多量飲酒・逆流性食道炎などが危険因子





わが国で1年間に食道がんにかかる人は、およそ9000人、胃がんの約1/10の発生頻度です。食道がんは進行が早いため早期がんで発見される場合が少なく、胃がんや大腸がんに比べ治療成績が良くありません。
 食道がんは、50歳以上の男性に多く(男女比は6:1)、社会の高齢化や逆流性食道炎の増加などに伴い、年々増えてきています。


 がん発生の危険因子として、喫煙や大量飲酒、熱い食物,飲物の摂取、逆流性食道炎(バレット食道)などが考えられています。また症状としては、嚥下時の胸痛、つかえ感、背部痛などが認められますが、早期食道がんでは、多くは無症状です。
早期食道がんとは、「がんの浸潤が粘膜層に留まり、リンパ節転移のないもの」と定義されています。


 早期食道がんの診断は、X線検査のみでは困難で、内視鏡検査が必須の検査となります。早期食道がんで、がんの長径が3cm以下のものは、内視鏡的粘膜切除術(EMR)で完全治癒が期待できます。
食道がんの治療の成否は、他のがんと同様に、早期発見、早期治療にかかっています。しかし今日まで食道がん例の多くは進行がんであり、早期がんの頻度はまだまだ少ないのが現状です。


 食道がんを心配される方は、内視鏡専門医による精密検査を受けることをお勧めいたします。




下部食道の早期食道がん(矢印部)





H19/8 朝日サリー投稿