慢性膵炎
慢性膵炎の治療はまず禁酒が重要
慢性膵炎とは、膵臓でつくられる消化酵素が活性化されて、自分の膵臓をゆっくりと溶かす膵臓の慢性炎症です。
最も多い原因はアルコール性で約60%を占めます。次に原因不明のもの(特発性)が約20%と多く、胆石や脂質異常症の場合もあります。アルコール性は男性に多く、特発性は女性に比較的多いという特徴があります。
初期の症状は上腹部痛や腰背部痛で食後数時間して現れ、進行すると下痢や体重減少や糖尿病も現れます。痛みは、飲酒後や脂っこい食事の後に多くおこります。
検査では、血液や尿の検査で、アミラーゼの上昇が認められます。また糖尿病が認められる場合もあります。画像診断法では、超音波検査やCT検査、内視鏡的膵胆管造影法(ERCP)が有用です。鑑別すべき疾患としては膵臓がんが特に重要です。
治療では禁酒が最も重要で、禁酒しなければ膵炎は進行します。糖尿病が合併すれば、それに対する治療が行われます。慢性膵炎の増悪期で腹痛の強い時は、絶飲、絶食、補液療法が必要で、入院治療が行われます。また胆石症が原因の場合は、胆石除去の外科手術が行われます。
慢性膵炎の経過は長く、経過中に糖尿病や膵臓がんの合併が多く認められるので、それらの疾患の早期発見のため定期的な検査も重要となります。
H22/11 朝日サリー投稿