感染性胃腸炎
手洗い・うがいを心がけるのが予防の一歩
昨年の晩秋から感染性胃腸炎が全国的に流行し現在も続いています。高齢者の病院内や老人施設内での集団発生も数多く報告されていますので、今回とりあげました。
感染性胃腸炎の原因となる病原体は、細菌、ウイルス、寄生虫など多種多様です。病原体は、細菌性のものでは腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなどです。ウイルス性のものでは、ロタウイルス、腸管アデノウイルス、ノロウイルスなどであり、寄生虫ではクリプトスポリジウム、アメーバ、ランブル鞭毛虫などがみられます。
現在流行して問題になっているのは、ノロウイルスによる感染性胃腸炎です。
感染性胃腸炎の症状は、発熱、下痢、悪心、嘔吐、腹痛などが主に見られます。
上述のように起因病原体が多種多様なため、年間を通じて患者報告数の多い疾患です。例年冬期はウイルス性の胃腸炎が多く、いわゆる「お腹にくる風邪」の主因であるノロウイルスの流行が晩秋から増加し始め、12月にピークとなり、次いでロタウイルスによる乳児嘔吐下痢症の流行が2月から3月にかけてピークとなった後、初夏までだらだらと続きます。アデノウイルスは年間を通して流行します。
夏期は細菌性のものが増加し、腸炎ビブリオや腸管出血性大腸菌などによる食中毒の発生がみられ、秋になると減少します。ロタウイルスやアデノウイルスによる胃腸炎は、乳幼児に多く、ノロウイルスによる胃腸炎は子供から大人までかかります
感染性胃腸炎は、ほとんどの場合、患者との接触や、汚染された水、食品によって経口的に感染しますので、手洗い、うがいを励行することが重要です。特に、排便後や調理前はしっかりと手を洗いましょう。
また感染性胃腸炎にかかってしまったら、下痢や嘔吐が続く間は、脱水を起こさないよう水分補給を心がけましょう。特に小さな子供や高齢者の場合は、重症化することもあるので、すぐに主治医の診察を受けてください。
H17/1タウンメディア投稿