マロリー・ワイス症候群
嘔吐して真っ赤な血液が出た場合は要注意!
お酒を飲み過ぎて気持ち悪くなって吐いたら、真っ赤な血が出た!。
こんな症状を経験したら、どんな大病かとさぞかしびっくりしますよね。
「マロリー・ワイス症候群」という、胃の噴門部の粘膜下の血管が切れて出血する病気です。
暴飲暴食が原因で、嘔吐する際にかかる激しい胃の内圧で、食道と胃の境目あたりの粘膜が縦に切り裂かれて大量に出血します。
裂傷が起きるほどの圧力というと不思議に思うでしょうが、嘔吐の際には胃の粘膜に相当な力が加わるのです。嘔吐以外でも、咳、しゃっくり、排便などの力みなどの強い圧力で出血することはありますが、圧倒的に多いのが酔っぱらって嘔吐する場合です。
もし嘔吐して真っ赤な血液が出た時には、迷わずただちに救急車を呼んで病院に行ってください。そのままにしておくと、出血多量で命を落とす場合もあります。
病院ではすぐに内視鏡で胃と食道の内部を検査します。傷が小さいと自然に止血する場合もありますが、裂傷がひどいと粘膜の裂け目をクリップでとめたり、純エタノールを注入したりする内視鏡的止血治療をします。
入院は、粘膜の裂け目が治るまで一週間くらいです。退院後も数週間は胃酸分泌を抑え、胃の粘膜を保護する薬を服用することになります。
予防策は、暴飲暴食を控え、吐くまで飲まないこと。また、アルコール濃度の強いお酒で起きやすいため、ウイスキーなどをストレートで飲むようなことはなるべく控えたほうがいいでしょう。
H24/5 朝日サリー投稿